友人が浮気した話

友人が浮気をしたらしい。

ほんの少し前まで酒を飲みながら下ネタ談義をしていたのに、急に真剣な顔をして言うものだから普段の雰囲気と違いすぎて衝撃を受けた。

相手は同じ会社の年下派遣社員。向こうからグイグイと迫られ、据え膳食わぬは男の恥といったところだと言っていた。

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僕の周りに浮気や不倫といった行為をする人間は今までいなかったから驚きつつも「あー、僕らも浮気をする年になったんだなー」としみじみ思う。ゲス不倫とかいう言葉が流行ったけれど、僕らの周りでは使うことは無かったし、話題に取り上げられることもなかった。鮮度は落ちてしまったけれど、今後は是非とも使っていこうか。そんなことを考えていると、未だ真剣な面持ちの友人が口を開いた。

実は、彼女にバレてしまって

おいおい、それは穏やかじゃないな。

浮気した彼…仮に【宮原】と呼ぼうか。宮原とその彼女の出会いは職場だと聞いていた。彼女の方は一年以上前に退職していて現在は他の職場で働いているらしいけれど、職場の人との付き合いは未だあるらしく、そのツテで浮気がバレたらしい。なんでも、職場でイチャコラしてたみたい。浮気女が彼女ヅラなんてよく聞く話だけれど、まあ良くやるよ、彼女の元職場だってのに。

まあ、宮原の顔は整っていて所謂イケメン顔。言いよる女は多かったらしいけれど、彼女一筋で有名だったから今回の事は何が彼の琴線を触れたのか気になるところ。「三年目の浮気」なんて言うけれど、彼の場合5年ぐらい付き合ってるらしいから摘み食い程度だったんだろうけど…選りに選って職場で浮気とは豪胆な事だ。

でも僕は彼を攻める気は一切無い。浮気する事は肯定できないけれど、彼女の方にも問題があったと思うからね。

宮原の彼女とは何回かあった事があって、姉御肌な人物という印象で、よく言うサバサバな性格。実際に宮原や僕よりも2歳年が上で、僕らの事を年下扱いするもんだから所謂「お姉さん」的な人物だ。

宮原とその彼女とBBQをやった時に浮気について話し合った事がある。僕の妻(その時はまだ彼女だったけれど)も同席していて、浮気については否定的だったんだけど、宮原の彼女は「浮気でしょ?人生経験として一回ぐらいやっても許してあげるかな」と言っていた。ここでも「お姉さん」な雰囲気で、広い心で受け止めるみたいな事を言っていたもんだから、凄いサバサバしてるんだなーって感じて、今でも覚えてる。宮原もその時は自分が浮気するなんて思っていないものだから「何言ってんだよお前」みたいに軽く怒ったりしていたけれど、あの時は心の中でシメシメと思っていたんだろうか。

その後に開かれた飲み会でも宮原は「彼女が風俗に行っても許してくれるらしい」だとか「合コン行って来ていいよって言われた」だとか。決して宮原の事を蔑ろにしてる訳じゃ無くて、人生経験としてやってみれば?といったスタンスらしい。たった2歳しか違わないのだけれど随分と先輩に思えて来る。

で、今回の事だ。

あれだけ人生経験と言って勧めていたのだから浮気がバレても「あ、そうなの?」とあっさりしているものだと思っていたのだが実際には違うらしい。自分で気づいたのでは無くて人伝て(元職場の同僚)からのタレコミだったから怒れてしまったのか知らないが、彼女は宮原を問い詰めて大喧嘩になったらしい。平手打ちも繰り広げられたらしいから驚きだ。宮原も今まで言われ続けて来た事があったからか、予想以上に怒られたのか随分とションボりとしていた。

まあ別れる云々の話題が出なくて良かったじゃないかと言うと「まぁ、そうなんだけどね…やっぱり、関係性が不安定になったよ」と。今まで気軽に行けていた飲み会も許可を取る必要が出て来たし、連絡も頻繁になったと。サバサバしていた人が一転、束縛気味になったらしいから宮原は疲弊していた。

きっと彼女は宮原の事を心底信用していたんだろうね。何を言っても浮気をしないと言う自信みたいなものが彼女にはあったんだろう。対して宮原は浮気しても許されると思ってたんだろう。元々はそんな気は無くても、長い事言われ続けて、ガードが緩くなっちゃったんだろうね。

うん、やっぱりどっちも悪いわ。口は災いの元とか言うけど、ホントそれ。

浮気なんてする奴が悪いんだけれど、彼女にも原因があるよね。だって男なら「浮気してもいい」なんて言われたら迷っちゃうぜ?僕だって浮気はしないけど(子供いるし)、試しに風俗行っちゃうかもしれない。

だから付き合ってる時から「浮気したら別れる」ぐらいの事を常に言っとく必要があるよね。実際に別れるかは別として、抑止力になるよ。ハードルを高く設定してやれば、軽い気持ちじゃあ乗り越えられないでしょ。

だから今回の事は二人ともが悪い、そう言って彼を励ますことにした。宮原は笑いながら「もう浮気は懲り懲りだ」なんて言ってるし反省もしてる。なんなら僕が間に入って仲裁してもいい。役に立つかは別だけど。彼はいい奴だし、彼女もいい人だ。他人事だけれど別れる道には立って欲しくないと、思う。

話が途切れると、酒が無くなっていることに気づく。

次どこ行く?景気付けに風俗にでもいくか?

僕は耳を疑った。こいつ何にも反省してないじゃないか。ハードルを乗り越えた人間は次のハードルも簡単に乗り越えちゃうんだな。

こりゃあダメかも知れないな。そう思った春の夜。

おしまい。

 

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